Honey Drop





「うわっっ」




立ち上がる勢いとは逆に腕を引っ張られ床に尻餅をついた





「な…泣いてるのか?」




「いえ…泣いていません。ただ顔の事を言われるのが嫌なだけですから…」





「…別に悪い気で言ったんじゃねぇんだけどな。一緒に生活していく人だから顔を知っておきたいだけであって、どうこうする気はねぇんだよ……悪かったな」





「いえ…」



ゆっくりと顔を横に振る


途端に目の前が明るくなった






「へぇ~普通じゃん」





や…やられた…




気を抜いた瞬間、目の前に蝋燭を持ってこられ顔を照らされているのだ



もちろん反射的にあげた顔の先には鏡矢の顔が近くにあった