Honey Drop




最低…最低すぎる…




読みかけの小説を投げつけたい衝動にかられたが




間違いなく勝てる自信は無い
むしろ更なる恐怖に陥れられる事は間違いなので




大人しく立ち上がり麦茶のポット片手にテーブルへ戻った






ゆっくり膝を床につき静かにテーブルにポットを置く






元の場所に戻ろうと腰をあげようとした時



前髪が浮き上がった



「おい。テメェの顔見せろよ?さっきから下向いてばかりで全然見えねぇんだけど?」



慌てて前髪を触っている鏡矢の手を払い退け、元の場所に戻る





「何で逃げるんだよ。これから一緒に生活してくんだし見せろよ」



「嫌です。あなたに見せるような顔はありません」




「馬鹿か?誰もテメェの顔に期待なんてしてねぇんだよ!どんな具合か拝んでやろうとしただけじゃねぇか」






「それなら…なお更やめてください…」






部屋に戻ろうと立ち上がる