「あ?何言ってんだ?てめぇ。親から聞いてねぇのかよ」
「親…ですか…?」
「何で聞いてねぇんだよ…!!てめぇの両親に一緒に住めって言われて来たんだよ」
益々頭が混乱する…
私は進学する時に”一人暮らし”を要求したはず…
誰も見ず知らずの男性と同棲したいだなんて言った覚えはない
「ひ…一人暮らしのはず…じゃ…」
「は?知らねぇよ。俺もこの市に進学する事になって親と一人暮らしについて相談していたら”家賃を支払いしなくて良い”と話を持ちかけられたんだよ」
「なんで…」
「テメェの親が一人娘を一人暮らしさせるのは心配だからって俺が一緒に住むなら家賃支払い不要!!って言われてokしたんだよ!!
何で何も知らねぇんだよ…」
目が慣れた暗闇の中で長めの髪を掻きむしる様子が目に入った
「あなたと両親の関係は…?」
「親同士が仲良いだけだよ。聞いた話だと俺ら小さい頃よく遊んでたらしいぜ?全然記憶にねぇけどな」
小さい頃…
小さい頃に遊んでた男性…?
「思い出した…木村…鏡矢…」

