しばらくの沈黙
食べかけのご飯に手を付ける事も許されないように感じ動けないでいた
「あの…」
「あ?何だよ」
「何で此処に居るんですか?私の家なんですが…。失礼ですが…どちら様ですか…」
物音一つ聞こえない暗闇では聴覚が冴える
小さく呟き程度の声量しか無くても相手に聞こえる声量となっている
「は?アンタ何も聞いてないの?奈央だろ?俺は鏡矢」
驚いた
何で私の名前を知ってるんだろう
そして”何も聞いてないの?”
とはどういう意味だろう…
聞くって誰に?
「おい!てめぇ、人に質問しておいて話聞いてねぇのかよ?電気つけるぞ?」
「す…すみません。聞いてました…ただ…聞くって誰に何を聞くのでしょう…」
想像の付かなかった鏡矢の返答に過去の記憶を遡ってみるもヒントになる出来事は思い出せないでいた

