(奏side)

紅葉「奏!!」

その少女は来たと同時に僕の名前を呼んだ。

…なぜ僕の名前を知っているんだ…??

…僕は《彼女》に、名を教えたはずはない。

奏『あの…病室を間違えてませんか…??それに、僕の面会時間はもう過ぎてるはず…』

そう言うと、病室の扉の近くに立っていた《彼女》は、絶望した顔で僕を見つめていた。