「お待たせ、ごめんね待たせて。」

「全然。今ちょうど君のことを考えてた。」

嘘じゃない。

「へぇ、それは嬉しいな。」

絶対思ってないだろうな。
むしろ、めんどくせ、って思ってるかも。

ちょっと意地悪言ってみようか。

「別に猫かぶらなくていいよ」

「は?」

彼は間抜けな顔をした。

目の奥の赤黒い光とギャップがあって素敵ね。