そう思って、城見に近づく。

「ねぇ、城見サン。あの噂、本当なの?」

そう私が聞くと、城見は顔を赤くして、

「本当な訳ないじゃない!」

そう言った。

必死に弁解すればするほど、怪しくなる。
わざわざありがとう、信じやすくしてくれて。

そこで、チャイムが鳴った。

「なんだ、生活委員がチャイム着席
出来てないのか、ダメだなー、このクラスは。」

数学の先生に嫌味な注意を受けて、
また城見は顔を真っ赤にした。