「だって青山君の彼女っていうから。気になっちゃった。どんな可愛い子なのかなーって」


「会ったの?」


「うん。すっごーい可愛かった」


優は髪をいじりながら強調する。


「なんで」


「あたしさー、ずーっと青山君のこと気になってたんだよねー。カッコいい一年生が入ってきたなーって」


「…」


「電車一緒って気づいてた?」


「いや…」


「あ、ひっどーい。やっぱり全然気が付いてなかったよねー。うん。知ってた知ってた」


優が脚を組み替えると短いスカートから太ももがのぞく。


「あたしが目線送ってるのにぜーんぜんこっち気が付かないんだもん」


優は座っていた机から勢いよく飛び降りると、椅子に座る藍の後ろに回った。


「だからわざと学生証落としてみた。青山君の前で」


「わざと」


「うん。わざと」


優は藍の椅子の背にヒップをつけてよりかかる。