「腕組むな」


「あれー照れてるの?」


「…」


藍と優が出て行った後、まばらに生徒が残る教室ではヒソヒソと声がとんだ。


「今の青山君の彼女?」

「2年?」

「彼女いたの?」

「意外じゃない?あの人めっちゃ男慣れしてそう」



優は藍を図書室に連れ込む。


「あれー。人いないね。ラッキー」


「で、何の用」


放課後の図書室には藍と優の二人の姿しかない。


「まぁ座ってよ」


優は長机にそのまま腰掛ける。


「なんで未来のこと知ってる?」


椅子をひいて座ると藍は腕を組んだ。


「ビックリした?」


「なに考えてんの?」


「ねえねえ、私いちおう先輩なんだけど。もうちょっと敬語使うとかさ」


机に座ったまま優は脚を上げて組み直した。