「青山君て顔はいいのに女の気配ないじゃん?
それなのに全然なびかないんだよねー」


「なびかないって?」

「未来ちゃんて幼馴染なんでしょ?なんか教えてよ」

「教えてってなにを?」

「ここまで言ったらわかるでしょー?」


優は苺みるくを飲み干すと未来の腕に自分の腕を絡ませた。


「教えて。青山君の落とし方」


未来はその言葉にゾッと背筋が寒くなる。



「教えない」


「どうして?」


「藍は私の彼氏だから」


「やっぱりそうなんだぁー。幼馴染から自然にーみたいなかんじ?」


「教えない」


「ケチー」


優は未来から身体を離した。


「未来ちゃん、私たちお友達になろ」


未来が返事をする前に優は言葉を続けた。


「今度カフェ行こ。いいとこ知らない?」


まだ友達になるなんて言ってないのに。


「じゃあね、未来ちゃん。また会おうね」


空になった苺みるくの空き箱を未来に押し付けると、優は足立と教室を出て行った。