藍が吹き出した。

「なんだよそれ」

「真面目に言ってるの!」

「おまえひどい顔」

「誰が泣かせたの」

「ごめんな」

片足をソファーに乗せて、藍が未来を抱きしめた。

未来の瞳からまた涙が溢れる。

「言って」

「言うのかよ」

「言って」

「言いたくねえなぁ」

「なんでよ」

「今さらだろ」

「言わなかったらまた泣く」

「もう泣いてんじゃん」

「鼻水つけるよ」

「いいよ」

未来を抱く藍の腕の力が少し強くなったように感じた。