「チビのくせにバスケ部…」

そう言って藍は肩を震わせて笑い出した。

「え?」

「俺もそう思ってた。おまえ、なんでチビなのにバスケ部なんだよ」

そのまま藍はお腹をかかえて笑い続けた。

「これから伸びるかもしれないじゃん」

「無理だろ」

「ママもバスケ部だし」

未来は椅子を立ってドスンと藍の隣のベッドに座った。

「有里華さんもそんな背高くないよな?」

藍の言葉に未来からの返事はなかった。

「未来?」

下を向いた未来の頬を涙がつたった。

藍は一瞬言葉につまる。

「気にしてんの?」

未来は黙って涙を拭う。

藍は大きくため息をつくと、そのまま部屋を出て行った