「チビでバスケ部とか、田村先輩狙いバレバレなんだけど」

「こんな女に色目使われて青山かわいそう。目さましたほうがいいよ」

「おまえら言い過ぎ…」

坊主頭がそう言いかけた時、藍が部屋の中に入ってきた

「田島と水戸部帰って」

ツインテールと栗毛が驚いたように目を開いた。

「なんで!?青山本当にこの子に誘惑されてるの?」

「いいから帰れよ」

田島と呼ばれたツインテールは怒りで顔が赤くなっていく。

水戸部と呼ばれた栗毛のショートカットは、泣きそうな顔になっていた。

「そんなんじゃねえって」

藍はめんどくさそうに頭をかくと、坊主頭の方を見た。

「あ、俺送ってくよ。田島と水戸部も今日はこの辺にしよう」

2人の女子は納得がいかない顔をしているが、坊主頭に押されるようにして部屋を出た。

部屋を出る瞬間、田島が未来を思い切り睨む。

玄関の扉が閉じた音がすると、藍の部屋は静まり返った。

未来は下を向いて椅子に座る。

藍は頭をかいてベッドに腰掛けた。

そして下を向いて肩を震わせる。

「藍?」