声はあっという間に未来のいる藍の部屋までやってきた。

「おじゃまー」

坊主頭の男子、そして2人の女子と目が合う。

「あれ、誰ですか」

最初に入ってきた坊主頭の男子が怯んだように一歩後ずさった。

「あ、私この子知ってる」

黒髪にツインテールの女子が、坊主頭を手で押しのけて部屋に入ってきた。

「バスケの田村先輩とウワキしてる子でしょ」

「田村って誰?」

「バスケ部の三年。彼女いる」

栗毛のショートカットの女子が口を挟んだ。

未来は慌てて首を振った。

「で、なんで田村先輩のウワキ彼女が青山の部屋にいるの?」

学習机の椅子に座った未来の前に、ツインテールと栗毛が立ちはだかる。

「てか、青山はこの子がウワキ彼女してるってこと知ってるの?」

ツインテールが振り向くと、部屋の扉の前に藍が立っていた。

「知らねーし俺に関係ない」

「あー!なにそれ!?青山もこの女のギセーシャじゃん」

ツインテールはさらにまくし立てる。

「先輩は彼女と別れてるし、私は付き合ってない」

未来も立ち上がって反論すると、ツインテールが未来の肩を押した。小柄な未来は少しよろめく。