「男の子?女の子?」


「まだ分かんないよ」


ようやく有里華の顔に安堵したような笑みがこぼれた。


未来は正直実感が湧かなくて、それがどう言うことなのかよくわからない。


「ママとおじさんが結婚したらどうなるの?」


「そのことなんだけど」


お皿が片付けられると、テーブルは一瞬沈黙になった。


「有里華がこんな身体じゃ仕事を続けることが難しいと思うんだ」


「お酒飲めないもんね」


「家の家賃や生活費、未来ちゃんの学費もある」


「学費くらいならバイト頑張るよ」


「そういう訳にもいかないだろう」


テーブルにデザートが運ばれてきた。


「二人の生活はもちろん僕が面倒を見る。今の家には住めなくなるけど、僕のマンションに来たらいい」


「未来ちゃんの部屋ももちろんあるよ」と寺田は付け加えた。