「なんだよそれ」


「分かってるでしょ」


未来はが頬を膨らませると藍は


「わかんねえ」


と、いつも通りだった。
ご褒美のキスくらいしてくれてもいいのに。


「すぐご飯食べるよね?」


「おう」


藍が二階の部屋に着替えに行く間、未来は炊飯器からご飯をよそってカレーを盛る。


千切りにしたキャベツとハムをマヨネーズとコーンと和えたコールスローサラダは、ばーちゃんがいつもしているみたいに大皿に盛った。


「おまえ飯食ったの?」


「これから。藍待ってた」


スウェットに着替えた藍が二階から降りてくると、藍と未来は二人で食卓につく。


いつもと違うのは、そこにばーちゃんがいないこと。


「オッちゃん今日も帰り遅くなる?」


「たぶんな」


藍の父のかずオッちゃんは、副本部長に昇進してから毎日帰りが遅いという。


「美味しい?」


「おう」


ばーちゃんのカレーはお肉が鶏肉で、キノコと豆がたくさん入ってる。


牛肉のカレーより、未来はばーちゃんの鶏肉とキノコと豆のカレーが好きだ。