「でも結局俺も同じことしてるね」


「同じこと?」


「寂しそうなミクちゃんを俺のものにしようとしてる」


未来はドキッとして身体を固まらせる。


「この前はあんなに俺のこと拒否してたのに、今日は俺に心開いてる」


そう言って純は

「心を開いてるのは俺も同じか」

と呟いた。



車内に沈黙が流れる。


「今日は帰るって言わないの?」


「…帰る…」


「家の人心配するもんね」


「ママまだ帰らないから…」


「一人?」


未来が黙って頷いた。


「彼氏は?」


「…」


「ミクちゃんはガードは固いのに素直なとこが玉に瑕だな」


コーヒーの香りに変わって、純の香水の香りが未来を包んだ。


「俺もう本気だから」


純が運転席から身を乗り出した。

腕で助手席の未来を抱くように引き寄せると、手で強引に未来の顔を純の方に向ける。

未来が抵抗する隙を与えず、顎をおさえて未来の口を開くとそのままキスをした。


純の甘い舌が未来に激しく絡んでくる。


「んん…」


拒否しなきゃ…
頭ではそう思うのに、未来は純を拒絶できない。