「そんで俺東京来て2年目のクリスマス。
元カノとは付き合って5年目のクリスマスだな。
あいつ来なかったんだよ」


いつも笑顔の純の顔が、曇っていく。


「理由はサークルでどうしても断れない集まりがあるからって言ってたけど、本当はどうなんだろうな」


「高一で付き合い始めてから、クリスマス一緒に過ごさなかったのそれが始めて」


純のコーヒーカップは空になっていた。


未来は3歳の時から今まで、クリスマスは毎年藍の家でばーちゃんとかずオッチャンとパーティーだった。


お正月はお仕事がお休みのママも藍の家に来て、未来とばーちゃんが作ったおせち料理を食べる。


ママはお料理をしないから、藍の父のかずオッちゃんとお酒を飲んでいるだけだけど。


「そんで俺会いに行ったの、正月。
地元に帰るから。

そしたらサークル仲間と温泉旅行だって。そん時ね、いつもサークル仲間との旅行はツイッターに集合写真あげんのに、正月はあげねーの。

そんで2月かな。そろそろケジメつけたいって言われた」


「ケジメ?」


「あいつサークル仲間の一人と付き合ってたんだよ。俺ずっと気づいてなくて知らなかった」


いつのまにか、純から目を離せなくなっている自分に未来は気がついていなかった。