「元カノとは地元が一緒でね、高一の時から付き合ってたんだよ。一筋だったんだよね、俺」


その後、純は「こう見えても」とふざけた口調で付け加えた。


「大学に進学してから進路が分かれて。元カノは地元の短大。俺は都内の大学。で、遠距離」


セットの温かいお味噌汁を啜りながら、それまで見たことのなかった純の顔を未来は見つめた。


「最初は大丈夫だと思ってたんだけどね。高速バスで5時間。会えない距離じゃないし」


高速バスで5時間の距離感。
それが未来にはピンとこなかった。


「最初の一年はバイトで金貯まると会いに行って、毎日LINE。

短大卒業したら彼女が東京で就職するから、同棲しようってのが俺たちの約束だったんだよ」


純は大学3年生。純の話のままだと、もう元カノは短大を卒業して上京しているはずだ。