焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新


「あー、そうだな。俺に日の光は似合わないってこと?」

「そういうわけじゃないですけど」

私が知ってる成宮さんは、落ち着いた夜の時間に溶け込んでるイメージがあるから。

バーの淡いオレンジの光を纏っている姿が思い浮かんだ。

「でも、太陽の陽射しを浴びてる成宮さんもそれはそれで別の格好良さがあるなって思います」

「それ褒めてる?」

「あははっ、褒めてますよ!」

成宮さんと他愛ない話をするうちに、だんだん緊張がほぐれてきた。

もしかしたら成宮さんは意図して緊張を和らげようとしてくれたのかもしれない。

「鎌倉とか、ほんと久しぶりだわ」

「私もです。大学の頃友達と行ったっきりで」

「この時期の鎌倉と江の島っていいよな」

「成宮さんもそう思います?!夏だからこそあの風景は映えるというか」

「分かる。なんつーか……綺麗だよな」

あ、この表情は楽しんでるときのやつだ。