「褒められてる、のか?」

「褒めてる褒めてる」

「は、早く寝て。じゃないと治らない」

忘れそうになっていたけど、この人風邪引いてるんだった。

悪化するのはよくない。

「ん。おやすみ」

至近距離で拝める成宮さんの寝顔は、作り物かと思う程綺麗で。

「おやすみなさい」

やること済んだらさっさと帰れよ、って言われて終わるんだと思ってたのに。

何で抱きしめられてるんだろう。

多分お客さんの中でこの人の本性を知ってる人は少ないだろうし、こうしてパーソナルスペースに入れる人はもっと少ないはず。

そこに、私は入れてもらえた気がして。