「はい冷えピタ。貼るので前髪どけててください」 「自分でやるし」 「失敗して貼り直すの面倒でしょ」 意外と、自分でベストポジションに貼るのって難しい。 ソファに座ってる成宮さんの前髪を指で払い、ハンカチで汗を拭いた。 「ん」 そうすればくすぐったそうに目を細める。猫みたいだな。 拭き終わった後は長方形のひんやりとしたシートをゆっくり、額に貼った。 「……うん、できた」 ひんやりしたそれが気持ちいいのか、少し頬が緩んだ。されるがままの成宮さんって新鮮だ。