焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新


いつかのスーパーで出会った時を思い出した。

「………やっぱり成宮さんって双子です?」

「いねぇよ」

即答された。

「ですよね!じゃあスーパーで会ったのは本当に成宮さんだったのか」

お店で素敵な笑顔を振りまき客を魅了する成宮さんも、今目の前にいる無表情な成宮さんも同一人物ってことが確定。

にわかに信じがたいけども。信じられないけど事実だ。

「そもそも何で俺の部屋知ってんだよストーカーかよ」

「違います!この前カーディガン貸していただいたじゃないですか。それを返しにバーに行ったら体調不良で休みだって聞いて」

「あー……天崎さんに言われたのか」

「はい。風邪だと伺ったので、必要な物色々買ってきましたよ」

持っているビニール袋をカサッと揺らしてみせた。

一通り買い揃えたら、結構な量になってしまったけど。