焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新



―――――――


――……


「え?!成宮さんお休みなんですか?」

マスターの言葉に目を見開く。

借りていたカーディガンに菓子折りをつけて渡そうと思って、今日来てみたら。

本人が不在とは。

しっかりクリーニングにも出して菓子折りも彼が好きそうな物を選び気合を入れたのに。

「風邪を引いてしまったみたいでね。留学から帰ってきて体が日本の環境に慣れてない中、毎日働いてくれてたから

「そうだったんですか……いつもお店で接客してる姿を見ると、全然そんな感じしなかったから」

「彼は隙をみせないからね」

カウンターでいつでもお客さんを楽しませる彼を思い出す。

「そういうわけだから、和花菜ちゃんお見舞いに行ってきてくれないか?」

「私が、ですか?」

「ああ。そのカーディガンとお菓子持ってくついでに様子を見てきてほしんだ。成宮は自分のことに関しては無頓着なとこあるから」

「風邪が悪化してたら大変ですしね……、分かりました!行ってきます」

「良かった、それじゃあよろしく頼むよ。今度一杯サービスするから」

「ふふ、近いうちにまた来ますね」