「そうですね、明日も早いので。でもお水をいただければ十分です!」

「遠慮しないでください。じゃあコーヒーはいかがですか?」

「えっ、コーヒー淹れてくださるんですか」

「と言っても僕達スタッフ用のものなので、あまり期待はしないでいただきたいんですけど」

肩を竦めて緩く口角を上げる。

「バーテンダーさんが淹れてくれるコーヒー、絶対美味しいですよ」

「わー、ハードルあがった。今作ってきますね」

茶目っ気にあふれた笑顔で冗談を言い、バックヤードを出ていった。

成宮さんが拭いてくれた髪を触ってみる。

「サラサラだ」

自分で拭いてたら、ここまで綺麗にまとまってなかっただろうな。