それに顔面偏差値ふりきってる綺麗な顔が近くにあるだけで、目の保養には十分すぎる。

「和花菜さんの髪、綺麗ですね。柔らかいし」

成宮さんの指が髪を梳いていくのが分かる。

誰かに髪が綺麗だ、なんて言われたのいつぶりだろうか。

ああ、こんなことになるならもっと高級なトリートメント使っておくんだった。

「い、いやー今使ってるリンスのおかげですかね」

「ふ、そんな謙遜しなくても。好きだな、和花菜さんの髪」

「……っ勿体ないお言葉ありがとうございます」

ダメだ、心臓がもたない。声が震える。

嬉しいし恥ずかしいし、何だこれ。

脳内が混乱してる間に髪を拭き終わったみたいで、成宮さんがスッと離れていく。

「何かお飲み物お持ちしますけど、どうします?今日はお酒じゃない方がいいですよね」