「亜里沙さん、とても気さくでフットワークの軽い方なんですね」
「退屈な時間が嫌なんだろ。新しいもの好きで、どんどん前に進んでくタイプ」
「なるほど、じゃあそんな亜里沙さんのお眼鏡にかなう広告を作らないと」
「和花菜は、亜里沙と逆のタイプだよな」
成宮さんの台詞に、スープを食べていた手がとまる。
私と逆のタイプ。どうしてその話を。
「慎重派で、いくつも予防線を張り巡らせてから話を進めてく」
「そう、ですか」
「だから今も逃げ道を用意しながら喋ってる。ボーダーラインを越えていいか、足先でつついてるみたいな」
これだから成宮さんには敵わない。
もとから敏い人なんだろうけど、バーテンダーという仕事に就いて更に磨きがかったに違いない。


