焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新


「そこだったら、俺も行ったことありますよ」

「あら!瀬戸さんも?世間って狭いのね」

それぞれ点でしかなかったものが、繋がった瞬間だった。

「私、変更部分今すぐ修正してクリエイティブ担当に送ってきますね」

「おう。頼んだ」

なぜだろう。

これ以上話すのは危険な気がして、足早に会議室を出た。


「ーーーねぇ瀬戸さん。可愛いわね、彼女」

「もちろん。可愛い後輩ですよ」

「ちゃんと捕まえておかないと、ダメよ?」

「……はは、君の観察力には恐れ入るよ。ご忠告、感謝いたします」


会議室で、こんなやり取りがあったとは知らずに。

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「……よし、完成!」

深夜、部屋でひとりガッツポーズ。

工作まがいのことなんて中学生以来だけど、なかなか上手く出来たんじゃないかな。

完成作品を色んな角度から見て最終チェック。誰かにあげるものだ、不備があってはいけない。

問題はこれをいつ渡すかだ。

「わざわざ確認するのも迷惑だろうし」