―――それから広告製作段階に入り、クライアントと一旦打ち合わせをすることになった。
今後どうやって広告を運用していくのかも含め、直接会って話をしたいとの要望があった。
だからこうして打ち合わせの場をセッティングした、んだけど。
「初めまして、マーケティング部に配属となった櫻井亜里沙と申します」
なんでここに亜里沙さんが。
もうこの状況が夢なんじゃないかと本気で思えてくる。
「私も途中からですが今回の企画に参加させていただきますので、よろしくお願いいたします」
亜里沙さんがまさかクライアント企業に勤めていたなんて、予想できるわけがない。
「瀬戸さん、どうなってるんですか」
準備しながら小声で聞く。


