焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新


ー ー ーそして納期まで怒涛の日々が始まった。

コンペで先方に指名してもらったら、次は本格的にどういった広告にするのかクライアントとの打ち合わせが始まる。

瀬戸さんがスムーズに打ち合わせを進められるように、私はアシスタントとしてスケジューリングや資料作成諸々を代わりに行っていく。

「清水、頼んでた修正部分どうなってる?」

「前回の打ち合わせでクライアントから指摘された部分を修正しました。ストラテジストの三輪さんにも確認はとってあります」

「……成長したなぁお前」

「初めに瀬戸さんのアシスタントだった頃よりは。懐かしいですね」

入社して研修が終わり、先輩アカウントプランナーのアシスタントについた時のことが頭に浮かぶ。

私が初めてアシスタントとしてついたのが、まだ統括マネージャーになっていない瀬戸さんだった。

「あと、ストラテジストとしては次回打ち合わせを一週間ほど先延ばしにしてもらいたいとの要望が入りましたがどうしましょう」

瀬戸さんと仕事をするのは楽しい。

自分はアシスタントとしてもまだまだ足りない部分があるって痛感することもある。

でも、それ以上に得るものがたくさんあった。