「瀬戸さんのアシスタントとして動くんでしょ?しっかりしなさいよね」
「ごもっともです」
ぐうの音も出ない。
この広告制作権を逃すわけにはいかない、とコンペ以前の段階から瀬戸さんが参加して、新規クライアントからの指名を勝ち取った。
でも指名してもらっただけじゃダメで、ちゃんと結果を残さないと次はない。
そこで瀬戸さんを中心としたチームが編成されて、私がアシスタントとしてつくことになったんだけど。
「私もストラテジストとして、その案件のメンバーになってる先輩のサポートにつくからさ。お互い頑張ろ」
「そうだね、先輩の足引っ張るわけにいかないし。気合い入れて頑張ろ」
頬をパンッ、と叩いて自分に気合いをいれた。