撮影が後半に差し掛かり、1週間のほとんどを現場で過ごす中
合間を見つけては父の店に引きずり込まれる
たまにしれっと家を出てファミレスや散歩で時間を稼いでも
高校生の私の所持金なんかたかが知れてる。
だから結局店に行かないといけないくなる
撮影場所と店が近いことは私にとって条件が悪かったな…
その日も夜遅くまで店でこき使われて、
帰りたくないなと思いながら時間をかけて家へと歩いていた
「…今日のあのお客様なんなの」
「なんで料理なんかしないといけないのさ」
「お父さんは仕事しかしてないからじゃん」
「私は学校と仕事と仕事してんのよ…」
夜でも明るい公園の前を通りながら沸々と湧き上がる文句を口に出しているうちに
怒りが爆発して…
「…ぅりゃぁぁあ!!」
背負っていたリュックを思いっきり公園の石のベンチに叩きつけた
周りに人がいなかった事が幸いだったね。笑
「家出してやろっかな…」
「家出するの〜?笑」



