次の撮影の時も相変わらず距離は近く、普通に接してくる金本さん
…私だけがずっとドキドキしてるみたいじゃん。
普通にしようと切り替え、仕事モードに
「さっきね、監督が2人のシーン褒めてたよ!俺と陽奈ちゃんの距離感が良いねーって」
「…あぁ、本当ですか!良かったです、」
距離感がいいってのは、あなたが距離近いからでしょ?!
って心の中で叫びましたよ。
「ねぇ陽奈ちゃん、明日撮影終わった後暇?」
「明日は…お父さんの店を手伝わないといけないので…
何かありましたか??」
「いや!早く終わるし、ご飯でも行かないかなーって思って…
お父さん何のお店やってるの?」
「洋食屋さんです。田舎の…」
え、今度行きたい!って言われて、私も
ぜひお越しください!なんて言ってしまったけど…
私が男の人を、ましてや有名な俳優さんなんか連れてきたら
ただでさえ嫌がっている女優業をやめさせられるに違いない。
「じゃあ、いつか空いてない?」
「…基本的に、休みがないので、」
あの日はたまたま店のワックスがけで休みになっていただけで
この時にはすでに、私の休みとやらは無くなっていましたね
「…大丈夫?体壊さない?」
「現に、体調は良いので大丈夫かと。笑」
「そう…?休むことも仕事なんだからね?」
「はい、ありがとうございます!」
そう、この時ちゃんと休み取っておけば今こんなに悩むことなかったはず…



