横顔が綺麗なあの子の素顔




「この後は仕事?」


「18時から取材が入っているので、それだけですね。杉野さんは?」


「俺は1日オフ!月村さんの仕事までもう少し話していても良い…?」


「はい!もちろんです」

と言うことで、現場に近いカフェまで歩くことに。

お互いにマスクや帽子、サングラスで顔を隠しているから、なんか変な感じなんだよね。笑


「月村さんのマネージャーって北さんだよね?」


「あ、そうです!ご存知なんですか?」


「前までうちの事務所で働いていたから、うちのグループ全員知り合いなんだ」

何と…。世間は本当に狭いんですね…。


「とっても良い人だったよ!今もだと思うけど笑」


「はい。笑 お兄ちゃん的存在です」


「そういや月村さんって兄弟…」
「陽奈…?」

杉野さんとの会話を弾ませていると、

後ろの方から聞き覚えのある、聞きたくなかった声が聞こえてきて、立ち止まってしまった


「やっぱ陽奈じゃん!」


「…月村さん、呼ばれてるけど、?」

振り向かない私を不思議に思って声をかけられる

後ろを向いたら負けだ…。でも相手は人間なわけだから、私に近づくのは当たり前で。

それなのに、足が固まって動けない


「久しぶりだね」

ポンっと肩に置かれた見慣れた手


「この方って…お知り合い?」