「案外、どうにかなるものですよ。時間が経てば、ある程度の問題は解決するもんです。親父は愚痴りながらも毎日の報告を寄越すし、友人はいい奴だったから、僕が帰る度に申し訳なさそうな顔をして、それでも会いに来てくれます。きっと、そういうものですよ。」


隣でそっと、女性が息を吐き出す音を聞いた。赤子は相変わらず穏やかな顔で眠っている。


「お会いできて、よかった。」
ホームに電車が入る。ゴゥ、と空間を轟音がみたし、一斉に声が消えた。


『お待たせしました。只今到着の電車は当駅始発、快速現世行きです。混み合いが予想されますので...』




「それじゃあ、また。」
「えぇ。本当に、ありがとうございました。」