あのひと、しんじゃったの。
ぴっしりスーツをきこんだ人たちがきて、おどろいちゃった。

じけんじゃないかっていうの。

いやね、あの人をうらむ人げんなんて、いるはずないじゃない。すてきなひとよ。りっぱなひとだったわ。


なんども、なんどもたずねられて、そのたびにわたし、わかりません、っていったの。
ちからになれなくて、もうしわけなかったわ。


さいごに、おじさんがわたしのかかえたお花をゆびさしていうの。
「そのばらはプレゼントですか」って。


どうしたんだろうとおもって、でもわたし、えがおでこたえたわ。



「えぇ、ははのひでしたから。かのじょににあう、しろばらを。」