「あーーー・・・」

残念そうに
ぼんやり飛んでいった
何だかよく分からない羽を
惜しんで見ていたが……


とっさに彼は
ある異変に気付いた。

ココがどうとか、
自分が誰かとか、
それ以前の問題が発生したのだ。

「え?!ちょっと待て!えぇ?!」

自分の全裸の、
体を見て驚いた。

ふっくらとした胸がある……
(小さいながらも)

そして何より…


………ナニが無い…!

「え?!俺、女だったっけ?!」
「いや?いやいやいや、俺って言ってるし?」
「あ!あれか?!」
「入れ変わったゃった~的なアレか!」
「そして夢か、これは夢だな!」

草原の中
ひとりブツブツと
自分の置かれている状況を
"夢オチ"で納得しようとする彼に

『おやおや、混乱している様ですね』

と、

どこからともなく……
声が聞こえてきたのだった。