ゲラゲラと大きく笑う真山。


「……なんか、真山さぁ…」

「なに?」

「やっぱりなんでもないデス」

「はあー?」




7年ぶりだからだろうか。

なんだろうか、この違和感は。

というか、こんな奴だったっけ?



真山壱斗っていえば、

昔はもっとこう~、

明るくて、爽やかで。


そうそう。

まさに好青年!

…みたいな感じだった気がするんだけど。



当時から絵に描いたような「クラスの人気者」でさ。


けど、気のせいだろうか。



口調になんだか優しさが見られない。

なんか、やさぐれてる、みたいな。





うーん。




「時って残酷だなー」

「どういう意味だよ」

「真山、変わったねって話」

「そういうお前は変わらねえなぁ」

「え」



「相変わらずおっさんみてえだな」

「はいはい、あっちいけ真山!」

「あ、やだそれうちの悪ガキ達思い出す」


げんなりと肩を落とす真山。

うちの悪ガキ?


ああ、そういえば。

真山が来る前に、皆が話していた気がする。

真山って今──…、



「なあなあ!壱斗って高校の先生やってんだっけ?」

「いいよなー、女子高生に毎日囲まれてんだろー?」

「くっそー!うらやましいー!!」


とかなんとか。

悪ガキ、と本人が零している様子だと、生徒にからかわれたりしているのだろうか。


…ああ!


「それで、そんな感じ(やさぐれ)になったのかな」

「え?だから何?俺?」