「ちょっとーー!!ジュース吹き出すほど僕愉快なこと言ってませんけど!?」

「す、すみません…」

「先生、漫画家なら原稿はもちろんネームも大事にしてあげてください!」


堀さんが咄嗟にネーム用紙を上に掲げてくれたおかげで、濡れずに済んだ。

ネームは。


「……とりあえず、僕のスマホが先生の吹き出したクリームソーダでベトベトなのをどうにかしてください」

「はい………」



ロリ編集のスマホを拭く。

しょぼん。


「そんなしょぼくれても、別に可愛くないですよ」

「ほんと失礼ですね」


ぺっ、とスマホを返す。


「もっと言動を女性らしくしたほうがいいですよ」

「余計なお世話ですぅ」

「もー」


アイスカフェオレのストローをくるくる回し、ズゾゾーと一気に飲み干すと、堀さんはふと思い出したかのように口を開いた。


「そういえば、今朝送ったメール読みましたか?」

「メール?あれ、気づかなかった……」

「しっかりしてくださいよー。先週の日曜も、電話出てくれなかったじゃないですかー」

「せっ」

「せ?」