高校を卒業して、7年。
大勢の旧友に会う同窓会へ向かう。
たまに誰かと会うとなると、大学に入ってからは、そこで知り合った友達とばかりで。
特に仲が良かった数名以外とは疎遠になっていた。
「くぁ…」
ひとつ、あくびをこぼす。
個人が経営している居酒屋に入り、幹事をしてくれた茂木(モギ)ちゃんの名前を店員に伝える。
奥の個室に通されると、当時の同級生のほとんどが席についていた。
「安曇(アズミ)~!待ってたよ!ほらっ、隣の席とっといたからおいで~!!」
「茂木ちゃん。ちょっと遅くなっちゃった。ごめんね?」
「まだ始まって5分だし、乾杯もこれからだから大丈夫だよ!安曇、あんまりこういう集まり来ないから、嬉しいなぁ~」
茂木ちゃんは、高校の3年間委員長を務めた熱血ちゃんだ。
『みんなとひさびさにお酒飲みたい!』
と、
決断するなり行動が早かった茂木ちゃん。
人望も厚く、あれよあれよという間に、みんなに連絡を取り出したのがたった一ヶ月半前。
「今日、暑いね」
「もう夏だもんね~!」
茂木ちゃんの隣に腰を下ろし、一息つく。
このおっとり笑顔、いつになっても癒されるなぁ。