『…大丈夫?本当に…良かった』


私は、朋也さんに近づいて、顔を見た。


朋也さんは、ゆっくりうなづいた。


涙で汚い顔の私だけど、死ぬ思いをしたはずの朋也さんは…本当に綺麗な顔をしてた。


『恭香…ありがとう。ずっといてくれた?』


『うん。ずっといたよ。一弥先輩も』


『一弥君…来てくれたんだ。悪かった』


一弥先輩も、朋也さんの側に来た。


『いいよ、そんなの。恭香ちゃんから連絡もらってびっくりしたよ。社長にも連絡ついたから。つい、今、無事だって連絡したら、喜んでおられたよ』


『父さんは海外だからな…2人がいてくれて、良かった…ありがとう』


『もうすぐ警察も来るみたいだけど…いったい何があったの?』


一弥先輩が聞いた。


ドキドキする質問だ、怖い。


『…知らないやつだった。いきなり、刺されて…体が急に熱くなって、倒れて…誰かが、救急車を呼んでくれたみたいだった。俺は…気づいたら、恭香に電話してた』