次の朝、私は1人で目覚めて、1人で電車に乗って、1人で会社に向かった。


ミーティングルームに入っても、朋也さんも一弥先輩もいない。


それでも、夏希やチームのみんなに元気に挨拶をし、仕事に向き合った。


必ず今のプロジェクトを成功させたい。


私は、部屋を出た時、菜々子先輩とぶつかりそうになった。


『すみません、大丈夫ですか?』


私が言ったの、聞こえなかったのかな?


菜々子先輩、何も言わない。


『…恭香ちゃん』


『え、あ、はい』


どうしたんだろ?


ちょっと怖い顔…


『あなた、本宮さんと自分が釣り合ってると本気で思ってるの?本当におめでたい人ね。早く…消えなさいよ、目障りだわ』


菜々子先輩は、突然、そう言った。


とても冷静に、とがった言葉を私に投げてきた。


心に刺さったナイフみたいに痛い…


涙が出て来た。


笑顔も無い、冷たい目が、怖くて…


菜々子先輩は、朋也さんが好き…


でも、朋也さんと私との関係を菜々子先輩は知ってるの?


知ってるから、そんなに私に攻撃的なの…?