本宮君の答えを聞くのが怖かった。


『ああ、2人きりだ。だけど…誓って言う。恭香に手は出してない。キスも…してない』


本当に?


少しホッとしたけど、それでも一緒に住んでる事実は、まだ受け入れられずにいる。


恭香ちゃんが、悪いわけじゃない。


僕は、知らなかったとはいえ、恭香ちゃんの気持ちに答えず、菜々子に告白してしまったんだ…


せっかく僕を思ってくれてたのに、僕がよそ見をしてしまったばかりに…


後悔しても始まらない。


僕の一番大切な人には、今は本宮君がいるんだ…


最低だ、僕は。


『恭香は…今、一弥君と俺のどちらかを選ぼうとしてる。いや、選ばないと行けないと悩んでいる…それが、見ていて、いたたまれないんだ。だから、今回、3人での旅行を考えた。恭香がどちらかを選ぶきっかけに…少しでもなればと』


でも…


一緒に暮らしてる本宮君の方が有利じゃないか。


手を出してないって…


信じていいのか?


僕が、もし恭香ちゃんと同じ部屋にいたら…


我慢出来るかわからない…