どうして、そんな甘い言葉を言ってくれるの?


『恭香はさ…好きな人がいるんだよな』


朋也さんのストレートな質問に驚いた。


『あの…』


それ以上言えなくて、黙ってしまった。


『好きな人…一弥君だろ』


あ…当たった…


どうしよう、顔に出てるかな…


『朋也さん…私…』


『一弥君は、良い奴だと思ってる。仕事も出来る。ただ…俺、恭香のことだけは、絶対に譲れない』


『…私、すごく嬉しいけど、きっとこんな状態でずっといたら、2人ともに嫌われてしまうんじゃないかって…こんな、答え出せずにフラフラしてる私なんて…』


本当にそうだ…


私なんかが、もったいないくらいの告白を受けて、しかも、2人から…


それに酔って、フラフラ迷って…


最近会ったばかりの朋也さん、ずっと大好きだった一弥先輩。


2人とも本当に素敵過ぎて、迷路の中で迷ってるみたいに…


もしこれが、出口のない迷路だったら…どうしよう。