私も、夏希のお母さんに電話をして、迎える支度をしてもらうように伝えた。


夏希は、帰りたくないなんてダダをこねてるけど、朋也さんが夏希の肩を抱えて車に乗せてくれた。


『気をつけてね、夏希』


『大丈夫、大丈夫~バイバイ~』


ニコニコ笑って手を振る夏希、こういうとこ、可愛いんだよね。


『よろしく頼む』


朋也さんの言葉に、運転手さんが一礼して、車を走らせた。


『彼は長い間うちの運転手をしてくれているベテランで、とても信頼出来る人だ。安心して大丈夫だ』


『ありがとうございます、本当に助かります』


『気にするな、今日はみんな楽しんでくれて良かった…』


そう言いながら、朋也さんは、ふと空を見上げた。


綺麗な星空だ…


その星空に溶け込むかのように、門の下から照らされてるライトが、なんとも言えない優しい光を放っていた。


遠くを見つめる朋也さんの優しい横顔に、妙にドキドキするのは、なぜだろう。


ムードのあるこの雰囲気が、そうさせるのかな…