可愛がりたい、溺愛したい。




甘いキスが、頬に軽く落ちてきてビクつく。


こんなのぜったいおかしい。

幼なじみはこんなことしないって言いたいのに。



「……そんな無防備に目閉じたら
唇にキスされても文句言えないよ?」


今ここで、依生くんを突き放せば、わたしから離れて他の子へいってしまう気がして言えない臆病な自分。



「なにも言わないんだったら、
ほんとにしたくなる」


唇に少し冷たい依生くんの指先が触れて、びっくりした反動で目をぱちっと開けた。


そして、わずかに残っていた正常な理性が働いた。


「ダメ……。
ここにはしないで……っ」


わたしの抵抗の言葉に、依生くんはムッとした顔を見せた。



「……なんで?」


「こ、ここは……好きな人としたい…から」


なに言ってるんだわたし……。

好きな人は目の前にいるくせに。