そして、首元にかかる髪をスッと持ち上げられて。
「……僕以外の男なんて考えられないくらいにしてあげよーか」
首筋に柔らかい……唇があてられて
「……やっ、……んっ」
自分の声とは思えないくらい、甘ったるくて、
身体は一瞬で熱を帯びる。
「声我慢しなくていーよ。
帆乃の可愛い声もっと聞かせてよ」
さっきまで冷たかったくせに、急に甘い言葉と甘いキスで簡単にわたしを落としてしまう。
「はな……して……っ」
甘い毒に侵されているみたいに、身体がいうことをきかなくて、力が抜けていく。
「……逃げたいなら振りほどいて逃げればいーじゃん」
なに言ってるの……。
そんなこと言うくせに、離さないようにしっかり抱きしめながら、弱いところを攻めてきて、見事に逃がしてくれない。
これはぜったい依生くんの計算。

