可愛がりたい、溺愛したい。




「そりゃ依生は帆乃ちゃんのこと渡したくないだろうし、後輩くんは帆乃ちゃんのこと狙ってんだもんね。空気悪くなるよ」


「いや、葉月くんは単純にわたしのことからかってるだけ……」



「んー、それは違うと思うけど。
依生もそれをわかってるから、帆乃ちゃんを奪われたくないんだよ」


花野井くんはすべてわかっているような口調で話すけれど……。


だったら、依生くんがどうしてそこまでわたしを手放したくないのか教えてよって言いたくなる。


だって、ただの幼なじみなのに……。



「依生のやつ愚痴漏らしてたよ。帆乃ちゃんにつきまとってるから邪魔だし排除しないとって。

顔笑ってるのに、恐ろしいこと言い出すからさ」


「排除って……」