「あっ、なんか姿見当たらなくて、連絡もなくて。
お昼休みまでは花野井くんたちと一緒だったよね?」
「お昼は一緒だったけど、すげーこわい顔して黙ったままだったからなー」
「機嫌…悪いのかな」
「悪いんじゃないかなー。
あいつ自分の気に入らないことあったりすると、あからさまに態度に出るから」
「そ、そっか」
じゃあ、わたしからはあんまりしつこく聞いたりしないほうがいいのかな。
これ以上機嫌損ねたら大変だし。
「まあ、依生が機嫌悪いときはだいたい帆乃ちゃんが絡んでるからね。
機嫌悪すぎて笑いながらキレてるし」
「えっ、そうなの?」
「そうそう。
たぶん今朝のことが原因だろうけどさ」
「今朝のこと……」
「帆乃ちゃんのとこに後輩の男の子来てたでしょ?」
「あっ、葉月くんのことかな。
なんか2人とも相性悪いみたいで、空気がすごい悪くて」

