可愛がりたい、溺愛したい。




「そーやって隠すってことは図星?」


「やっ、違う……っ」


あっ……、やってしまった。


否定するのに必死で、思わず顔を上げてしまった。



「……は?」


わたしの顔を見るなり、桜庭くんは驚きながら目をまん丸にしている。



「……うわ、なにこれ」


「……?」



「予想以上の破壊力じゃん……」



「あ、あのっ、メガネ返して……」


必死に訴えると、桜庭くんの顔がさっきの倉橋くんみたいに赤くなっていく。



「やばい……。
すごい俺の好きな顔……」


「さ、桜庭くん?」



すると、わたしの顔をジッと見つめながら。



「ねぇ帆乃先輩、なんでそんな可愛いの?」



グイッと顔を近づけてくるので、びっくりしてとっさに身体を後ろに下げると。


「ダーメ、逃げちゃ。俺の質問に答えてよ」